EMG総合法律事務所: マンション管理Q&A

総会(集会)の運営について


1 総会出席者の数え方


  議決権行使書面と委任状の違いがよく分かりません。また、議決権行使書面や委任状を提出した人は、いずれも総会出席者(出席組合員)として数えてよいのでしょうか。


  まず、議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができます(区分所有法39条2項)。

 議決権行使書面は、「書面で議決権を行使する」ために提出される書面です。本人が議決権(賛成or反対)を直接行使するために総会招集者(通常は理事長)に提出するものです。
 委任状は、総会に出席する人(代理人)に議決権行使を授権したことを証する書面です。

 議決権行使書面は、その書面の提出により本人の意思(賛否)が明らかになっており、それ自体が議決権の行使となります。
 委任状は、代理人が本人(委任者)に代わって総会に出席し、本人に代わって議決権を行使します。

 さてそこで、「議決権行使書面を提出した人」は「出席者」にカウントされるのでしょうか。この点については、それぞれのマンションの管理規約に従って判断されます。

 たとえば、管理規約に「書面提出者も出席者とみなす」旨の定めがあれば、議決権行使書面の提出者も出席者としてカウントされます。
 ただし、「「集会は、区分所有者の半数以上が本人または代理人によって出席しなければならない」との趣旨規約がある場合には、書面の提出をもって出席を擬制することはできないと解すべきであり、この場合には、区分所有者の半数以上の出席という要件を満たした上での集会の決議において、その書面を議決権の行使として取り扱うべきである」(『コンメンタールマンション区分所有法[第2版]』(稻本洋之助・鎌野邦樹著、日本評論社、平16)220頁)とも言われています。

 結局、書面提出者を出席者とみなすかどうかは、それぞれの団体の自治に委ねられていると言えます。
 ちなみに、標準管理規約に従うならば、「書面又は代理人によって議決権を行使する者は、出席組合員とみなす。」(標準管理規約(単棟型)47条5項)とありますので、代理人によって議決権を行使した人(委任状提出者)はもちろん、議決権行使書面提出者も出席組合員として数えることになります。

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