EMG総合法律事務所: マンション管理Q&A

共用部分の工事関係


1 共用部分の変更に関する改正区分所有法17条1項と古い管理規約との関係


  当マンションの管理規約は古い標準管理規約に倣って制定されている関係で、「共用部分等の変更(改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除く。)」については「組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。」旨定められています。つまり、多額の費用を要する大規模修繕工事は特別決議が必要であると解され、実際、過去に大規模修繕工事を行った際は特別決議を経て実施しました。

ところが、2002年区分所有法の改正により、区分所有法17条1項は、形状又は効用の著しい変更を伴わない大規模修繕工事は同条項の「共用部分の変更」に当たらないと解されるようになりました。すなわち、区分所有法上は、多額の費用を要する大規模修繕工事であっても普通決議で決することが可能となりました。

それでは、当マンションにおいても、特に管理規約を変更しなくとも、改正区分所有法17条1項と同様の解釈が可能なのでしょうか。つまり、形状又は効用の著しい変更を伴わない大規模修繕工事については普通決議で実施することが可能でしょうか。


  ご相談事例のような場合、普通決議で大規模修繕工事を実施しても差し支えないという見解が多いようです(法務省民事局参事官吉田徹編著「一問一答改正マンション法」(商事法務)23頁参照)。

ただし、本来は、まず管理規約を改正して要件を緩和する(すなわち、改正区分所有法に合わせる)べきです。

規約改正が不可能である場合の苦肉の策については、個別具体案件ごとに専門家(マンション管理士等)へご相談されることをお勧めします。

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